今回は皆さんがよく耳にする「起承転結」「三幕構成」「序破急」について、徹底的に解説していきます。
これらの構成は、物語創作の基本となる構成テンプレートです。それぞれの特徴を理解して、あなたの物語をさらに魅力的にしましょう!
起承転結とは?【物語の基本の型】
起承転結は、物語を4つの段階に分ける構成方法です。まるで家を建てるように、物語をしっかりと組み立てることができます。
起:物語の始まり
物語の舞台や登場人物を紹介する部分です。読者を引き込むための重要なパートで、いわば物語の「玄関」です。
『不思議の国のアリス』では、アリスが退屈している様子や、白いウサギを追いかけるシーンが「起」の部分にあたります。
承:物語が動き出す
「起」で紹介された問題や事件が、具体的に動き出す段階です。
アリスがウサギの穴に落ちて、不思議な世界に迷い込む場面が「承」にあたります。
転:物語の大きな転換点
物語が大きく変わるターニングポイントです。
アリスがハートの女王に出会い、裁判にかけられる場面が「転」にあたります。
結:物語の終わり
物語の結末です。
アリスが目を覚まし、夢から覚めるシーンが「結」にあたります。
起承転結は、物語を分かりやすく整理するための基本的な型です。それぞれの段階を意識することで、読者を飽きさせない、まとまりのある物語を作ることができます。
三幕構成とは?【ハリウッド映画の黄金比】
三幕構成は、物語を3つのパートに分ける構成方法です。多くのハリウッド映画で採用されており、物語にメリハリをつけることができます。
第一幕:セットアップ
物語の舞台や登場人物を紹介し、主人公の目標や課題を提示します。
映画『スター・ウォーズ』では、ルーク・スカイウォーカーが平凡な農夫として暮らしている様子や、レイア姫の救難メッセージを受け取るシーンが第一幕にあたります。
第二幕:対立
主人公が目標達成に向けて行動し、様々な困難に直面します。
ルークがジェダイの修行を始め、ダース・ベイダーと対立するシーンが第二幕にあたります。
第三幕:解決
主人公が困難を乗り越え、目標を達成するか、新たな目標を見つける結末を迎えます。
ルークがデス・スターを破壊し、反乱軍が勝利するシーンが第三幕にあたります。
三幕構成は、物語に起伏と緊張感を与える効果的な構成方法です。ハリウッド映画のように、観客を惹きつける物語を作りたいときに役立ちます。
序破急とは?【日本の伝統芸能の美学】
序破急は、日本の伝統芸能(能、茶道、華道など)で用いられる構成方法です。物語に緩急をつけ、独特のリズムを生み出すことができます。
序:静かな始まり
物語の導入部分で、ゆっくりと状況や雰囲気を説明します。
能の『羽衣』では、漁師が浜辺で見つけた美しい羽衣を手に取るシーンが「序」にあたります。
破:変化と展開
物語が大きく動き出し、状況が変化します。
漁師が羽衣の持ち主である天女に懇願され、羽衣を返す代わりに舞を見せる約束をするシーンが「破」にあたります。
急:クライマックスと結末
物語が最高潮に達し、一気に結末に向かいます。
天女が羽衣をまとって舞い、天へと昇っていくシーンが「急」にあたります。
序破急は、静と動の対比を効果的に使った構成方法です。日本の伝統美を感じさせる、奥行きのある物語を作りたいときに活用できます。
起承転結・三幕構成・序破急の使い分け
3つの構成には、それぞれ異なる特徴があります。あなたの物語に最適な構成方法を選ぶことが重要です。
起承転結:安定感のある物語を
起承転結は、物語の展開が分かりやすく、読者にとって読みやすい構成です。初めて物語を書く人や、幅広い読者層にアピールしたい場合におすすめです。
三幕構成:ハリウッド映画のようなダイナミックな物語を
三幕構成は、物語に起伏と緊張感を与え、読者を惹きつけます。アクションやサスペンスなど、エンターテイメント性の高い物語に適しています。
序破急:芸術性の高い物語を
序破急は、静と動の対比を効果的に使い、独特の雰囲気を持つ物語を作り出します。文芸作品や、芸術性の高い作品に挑戦したい場合におすすめです。
3つの構成方法の特徴を理解し、あなたの書きたい物語に合わせて使い分けることで、さらに魅力的な作品を生み出すことができます。
まとめ:物語構成を使いこなして、魅力的な作品を!
今回は、物語の構成方法として「起承転結」「三幕構成」「序破急」について解説しました。
これらの構成方法を理解し、使いこなすことで、あなたの物語はさらに面白く、魅力的なものになるはずです。
ぜひ、これらの構成方法を参考に、素晴らしい物語を創造してください!